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どこにも雇われなかった自閉症の男性、自ら起業しコーヒーショップを開店。障害者雇用の重要性をアピール
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  • 2019.11.29
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どこにも雇われなかった自閉症の男性、自ら起業しコーヒーショップを開店。障害者雇用の重要性をアピール

文:岩見旦

自閉症患者の多くが就職の際、大きな壁に当たる。特にアメリカでは1990年に「障害を持つアメリカ人法」が制定されたものの、自閉症患者のほとんどが失業状態だったり、安定した雇用が得られていない状況にある。

そんな中、どこにも雇われなかったある自閉症のアメリカ人男性の行動が大きな注目を集めている。

母親の勧めで起業

自閉症のマイケル・コインさんは21歳になった時、仕事を探し始めた。しかし、複数応募したものの、マイケルさんは雇ってくれる会社と巡り合うことが出来なかった。

悩むマイケルさんを見ていた母親のシーラさんは、就職とは別の道を提案。マイケルさんは、自ら起業することを決意した。

マイケルさんはニュージャージー州の発達障害センターでビジネスクラスに参加し、ロードアイランド州ノーススミスフィールドにコーヒーショップを開店する準備に取り掛かった。『ABC6』の取材に、「私たちはとても忙しかったです」と振り返るマイケルさん。「でも楽しかったです」とも。

このコーヒーショップは「Red,White&Brew」と名付けられ、今月オープンした。Facebookページのプロフィールには、「私たちはコーヒー一杯以上のものを提供する家族経営のコーヒーショップです。発達障害のある人を雇い、地域社会と関わりを持ち、世界中の障害者への見方を変えます」と書かれており、障害者雇用の重要性を訴えた。

コーヒーショップが高評価

「Red,White&Brew」に行ったある人から、すでに続々とレビューが寄せられており、評判も上々のようだ。ある人は「マイケルは私と私の子どもを案内し、すべての商品の説明をしてくれました。とてもフレンドリーな接客で、アイスコーヒーは最高でした。また必ず来ます」と投稿した。

「Red,White&Brew」がオープンしてまだ2週間も経っていないにも関わらず、すでに店内は障害を抱える子どもを持つ家族にとって天国のような場所になっている。「将来子どもが地域社会に受け入れられることに期待し、目に涙を浮かべる親御さんもいます」とシーラさん。

マイケルさんは今後、障害のある人もちゃんと働くことが出来るというメッセージを発信するため、特別な障害を持つ人を雇いたいという。

マイケルさんの活躍は障害を抱えている人はもちろん、その家族にとって大きな希望になったのではないだろうか。


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