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新型コロナウイルス発生を受け、米製薬会社が抗ウイルス薬の科学式を公開。さっそく特許申請した中国は「知財暴君国家」なのか?
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  • 2020.02.11
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新型コロナウイルス発生を受け、米製薬会社が抗ウイルス薬の科学式を公開。さっそく特許申請した中国は「知財暴君国家」なのか?

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文:FINDERS編集部

中国・武漢市を発端に感染の広がりが連日報告される新型コロナウイルス。

先日、ブルームバーグの報道によると、アメリカの製薬会社「ギリアド・サイエンシズ」が中国当局に緊急医療用として、現在開発中の抗ウイルス薬「remdesivir(レムデシビル)」をコロナウイルス罹患者のために提供したことが伝えられた。 

それを中国国内の新型コロナウイルス患者に臨床を試みようと、武漢ウイルス研究所(中国科学院武漢病毒研究所)がさっそく国内で特許申請したことが明らかになった。

それを受けてツイッターなどでは、「知的財産権の侵害では?」「知財暴君国家」などと話題になっている。

武漢ウイルス研究所といえば、世界有数のウイルス研究所として知られ、これがあることを根拠に、ネット上では感染源として、生物兵器説などの陰謀論がささやかれたことは記憶に新しい。

今回の経緯についてギリアド社の公式コメントによれば、新型コロナウイルス発生を受けて、人命を助けるために緊急で同社が持ち得る技術を提供したもの。

また、「remdesivir」は現在開発中の新型コロナウイルスの新薬候補であり、安全性や有効性について、まだどの国でも認可・承認が下りていない。そのリスクと恩恵への理解のもと、米中両国の関係機関と連携した上で実現したようだ。

実はMERSやSARSの原因ウイルスは、今回蔓延中の「2019-nCoV」と構造が似たコロナウイルス。これらに対して、「remdesivir」はすでに有効性が示されているという。

いずれにしても、中国で特許が認められるには、新型コロナウイルスに対して同類他ウイルスへの効果とは別の有効なデータの証明が必要とされる。

中国でどのような治験や臨床が行われ、いかに終息に向かうのか、今後もしばらく注視する必要がありそうだ。


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