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【追記アリ】新型コロナで中止になったイベントキャンセル費用を最大全額・手数料0円で「前払い」するサービスが開始
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  • 2020.02.27
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【追記アリ】新型コロナで中止になったイベントキャンセル費用を最大全額・手数料0円で「前払い」するサービスが開始

文:神保勇揮

2月15日以降のイベントキャンセルが対象

アーティスト向けの補助金を一部前払いするサービス「PayNOAH」を運営する株式会社ペイノアは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴いイベントを中止をするアーティストに対して、キャンセル費用の最大全額を無償(手数料0円)で前払いするサポートサービスを開始した。

申込みはペイノア社HPの専用フォームから行う(「内容」欄に新型コロナウイルス対応の支援希望である旨を記載してほしいとのこと)。
https://paynoah.inc/contact/

サポートの対象者は、新型コロナウイルスが原因で2020年2月15日以降のイベントがキャンセルになったアーティスト・イベンター・プロモーターなど。

支援が可能になる条件は
・イベントがキャンセルになった経緯を書面で証明が可能
・キャンセルに至るまでの券売状況等を書面で証明が可能
・キャンセルによって発生した費用(人件費も含む)を書面で証明が可能
・次回振替イベントの開催を、PayNOAH主催とし、イベント会場と契約締結できる
・過去開催したイベントの集客情報を提出できる

となっており、ペイノア社に提出した情報を基に、将来行う振替イベントで発生する売上予想金額を同社基準で審査し、キャンセル費用(金額は審査によって一部〜最大全額)を前払いするという格好となる。この金額はあくまで「前払い」であり、その後、振替イベントが開催されたタイミングで前払いされた金額をペイノア社に支払うことになる。

受付期間は2月26日(水)から3月31日(火)までを予定。新型コロナウイルスの収束状況を踏まえて延長も検討するとしている。

「PayNOAH」のサービスは元々、海外活動を目指すアーティストやコンテンツホルダーが申請できる経済産業省の「コンテンツグローバル需要創出等促進事業費補助金(J-LOD)」や国際交流基金などを対象とし、本来は渡航後にもらえる補助金を一部前払いし、そのための手続きなどのトータルサポートを行うという内容だった。

同社CEOの小林秀氏によると、2月26日の政府によるイベント自粛要請を受け、イベントが次々中止・延期になっていく中で、いてもたってもいられず構想から24時間でこのリリースまで漕ぎ着けたという。

※2月27日 17:45追記
本稿執筆後、ペイノア社広報にサービス内容についてメールインタビューを行った。

ーー イベント規模はドーム公演から10~100人規模までさまざまありますが、主にどの層を想定しているのでしょうか?

A.主に1度のイベントキャンセルで今後の活動ができなくなってしまうような、個人を中心としたインディペンデントで活動しているアーティストを想定しています。

ーー 前払い金の原資はどのぐらいあるのでしょうか?

A.具体的な金額お伝えすることはできませんが、投資家と連携し、数億円規模の原資を用意しています。

ーー まだリリースから1日も経っていないものの、申し込み・問い合わせはどの程度ありましたか?

A.現時点で既に10件以上の申し込み・お問い合わせをいただいております。詳細な状況などはこれから個別にヒアリングを行う必要がありますが、音楽系のアーティストやダンサー、音楽家団体など多岐にわたる方からご連絡いただいております。

今後、新型コロナウイルスの感染拡大をいかに収束させるかと同様に、経済的被害を被る事業者のサポートも重要となってくる局面。こうした今後も活発化することを期待したい。


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