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新型コロナ対策に役立つ情報サイト「PAND AID」が緊急開設! 「今自分にできること」を体現するクリエイターに注目
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  • 2020.04.16
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新型コロナ対策に役立つ情報サイト「PAND AID」が緊急開設! 「今自分にできること」を体現するクリエイターに注目

今必要なのは、人々の意識と行動変容。デザインの力でそれを可視化したい

―― 今後は協力者とともに新型コロナ対策についての多くの情報の質と量を高めていくかと思いますが、最後にデザイナーとして「PAND AID」に込めた思いについて教えてください。

太刀川:私たちはどうすれば新型コロナウイルスの脅威に備えられるのか? そういった視点で情報を網羅的に集めたいと思っています。ありがたいことに、協力者としてすでに100人以上のボランティアが集まってくださっています。

メンバーも非常に面白くて、医者やイラストレーターなどあらゆるジャンルの人が集まり、必要なコンテンツについてディスカッションしたり、リサーチしたり、イラストを描いたりするなど、それぞれの得意分野を生かしながら少しずつコンテンツを増やしているところです。マスクやソーシャルディスタンスの話など、今後もさまざまなコンテンツを上げていきます。

新型コロナウイルス感染拡大は、正しい情報をきちんと知り、みんなが行動を変えれば防げるものです。それが震災の時と大きく違う点です。一部動物にも感染例はありますが、基本的には人がウイルスを増やさなければ増えません。だからこそ、私たち一人一人の意識変容や行動変容が重要です。

身の回りのウイルス生存期間をわかりやすく示したポスターなどが自由にダウンロードできる。

現在のクリエイティブやデザインは、1919年にできたドイツでのバウハウスの運動が源流と言われていますよね。実は、かつて2000万人から1億人の被害者を出したスペイン風邪が流行したのは、1919年にバウハウスのデザインが起こる前年の1918年なんです。

つまり、第一次大戦後の復興やスペイン風邪という最悪の状況下でデザインや創造性の必要性が生まれた。そこから建築やプロダクトデザインが生まれたのは、戦争や感染症からの復興という側面もあったわけです。

それから約100年後の今、デザインはあらためてその起点を思い出さなきゃいけないのだと思います。デザインは見えないものを可視化し、形づくる力が本来備わっている。クリエイターが今こそできることはたくさんあります。僕ら以外にもPAND AIDのために動いてくれているクリエイターは多いし、そういう動きも今後サイトで情報発信して行けたらと思っています。

不安や戸惑い、怒り、不満などが募りやすい現状にあって、今自分にできることを体現し、かたちにできる人こそ、真にクリエイティブと言えるのではないだろうか。

今後はFINDERSもメディアパートナーとして、「PAND AID」の取り組みをサポートしていく予定だ。


PAND AID

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