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ラスベガス銃乱射事件に遭遇した女性、命の恩人の男性と結婚。悲劇のトラウマを乗り越えて
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  • 2020.04.23
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ラスベガス銃乱射事件に遭遇した女性、命の恩人の男性と結婚。悲劇のトラウマを乗り越えて

文:仲田拓也

多くの国民が銃を保有する銃社会、アメリカ。毎年、多くの銃乱射事件が発生し、人々の尊い命を奪っている。中でも、社会に極めて大きな衝撃を与えたのが2017年にラスベガスで発生した銃乱射事件だ。

開催されていたカントリーミュージックフェスティバルの会場に向けて乱射された銃弾は、59人の命を奪った。その混乱と悲劇をともに乗り越え、結婚したカップルに全米の祝福が寄せられている。

一緒に楽しい時間を過ごすはずだった2人

カリフォルニア在住のオースティン・モンフォートさんは2017年9月30日、3日間にわたるカントリーミュージックフェスティバル「Route 91 Harvest」のために訪れたラスベガスのミュージックバーで、一人の女性と出会う。

彼女の名前はシャンタル・メランソンさん。ダンスフロアで踊る姿に、オースティンさんの目は釘付けに。お酒の勢いもあり、早速声を掛けたところ、2人は意気投合。「お互いを長い間知っているようでした。そのあとすぐに食事に行って、連絡先を交換しました」と、シャンタルさんは『METRO』の取材に答えている。

2人は出会った翌日には待ち合わせをしてフェスティバルに参加。ステージ近くで一日中音楽とダンスを楽しんだ。時刻は午後10時。ステージではジェイソン・アルディーンが演奏していた時、銃撃が始まった。

シャンタルさんは「最初は花火だと思いました。大きなフェスやコンサートでは、花火がつきものだからです。でも、その音はいつまでも鳴りやまず、いつの間にかその場にいた全員が地面に伏せていました」と振り返る。周囲の人が走り出す中、オースティンさんはシャンタルさんと付き添い、何とか逃げ出し銃弾から身を隠すことができた。

2人はなんとかタクシーを見つけて、安全な場所を探そうとしていると、脚と腹を撃たれた女性を発見し、病院に急行。病院でもオースティンさんがずっとそばにいたおかげで、シャンタルさんは安全だと思うことができたとのこと。

この悲劇の後、オースティンさんはカリフォルニアへ戻り、シャンタルさんはカナダに帰国。しかし、2人はその後もFaceTimeなどでの連絡は欠かさなかった。それはお互いのトラウマを乗り越えるためにも役立ったという。「私たちはとにかく物事のポジティブな面を見ることに努めました。私たちが出会ったことには理由があるし、この混乱の中でお互いを必要としていました」とシャンタルさん。

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