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- BUSINESS
- 2020.04.24
なぜ日本でPCR検査数が増えないのか。論点と解決策をわかりやすく整理する【連載】あたらしい意識高い系をはじめよう(2)
(2)ローカルな事情にちゃんと適合した戦略であるほど、見た目は他の国と違っていて当然
世界の国々はそれぞれ国情も持っている医療リソースの種類も全然違うので、「全世界共通」に同じ手法でやらなくちゃ…となると、自分たちが持っている武器の種類と合わなくなってしまうんですね。さっきの例で言えば、「炊飯器がないとご飯が炊けません」的な話では、今まさに襲いかかってきている課題にちゃんと最大の効果を発揮する対策はできません。
だから、「本当に現場レベルで優秀」であるほど、その対策は「オリジナル」で、他とは違ったものになってくる可能性が高い。
これは、「誰が言ってるかでなく何を言ってるかを見るべき」的な話で、ちゃんと物事自体を深く知って、「なるほど、見かけは随分違うけどスジは通ってますね」という判断ができる人ならいいんですが、世の中あまりそういう感じではないですよね?
「●●なんて言ってるのは日本だけだぞ!」みたいな感じで、「日本の当局が言っている内容」自体を自分のアタマで読み解くのではなく、「ニューヨーク・タイムズにはこう載っていたぞ!」的な権威主義でしか判断できない人が世の中には多いので、「ちゃんと現場レベルで適合したオリジナルの戦略を持っているほど孤立無援になってしまう」んですよ。
「ローカルな事情にちゃんと適合したオリジナルな対策をしている担当部署」が孤立無援になっていくとき、日本では特有の意固地さ…のような振る舞いになってしまうことがよくあります。
それが、事情がわからない世間一般から見ると非常に排他的で自分の考えだけに固執しているように見えてしまい、余計に相互コミュニケーションが困難になり、担当部署はさらに自分たちが今持っているリソースの範囲内だけで全てを解決しようとして混迷してしまうことになる。
その範囲で成功すればいいけれども、その範囲を超えるような大問題になると…
3月中旬以降、感染爆発した欧米諸国から大量の帰国者が市中に放たれ、対策班の接触者追跡能力が足りなくなってきて……あとは皆さんご存知の通りです。
そんな時私たちはどうすれば良かったのでしょうか?