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手作りの布マスクのフィルター機能を、医療用マスクに匹敵するレベルに高める方法が話題に
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  • 2020.06.04
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手作りの布マスクのフィルター機能を、医療用マスクに匹敵するレベルに高める方法が話題に

手作りマスクに最適な布は「綿とシフォン」2種類の組み合わせ

今年4月、米国化学会(ACS)の化学ジャーナル『ACS nano』に、シカゴ大学とアルゴンヌ国立研究所の共同研究チームによる最新の研究論文が発表された。ACSのニュースリリースによると、「綿と天然シルク」「綿とシフォン」のように異なる素材の布を重ねることで、ウイルスの飛沫を防ぐフィルター効果が高まるという。

研究チームは、綿、シフォン、フランネル、シルク、スパンデックスなど、さまざまな布のサンプルを使って実験を実施。2種類の布を組み合わせ、その上に、直径が10万分の1ミリ〜1000分の6ミリのエアロゾル粒子を吹きつけて、粒子が布地を通り抜けるかどうかを測定したのだ。

その結果、しっかりと織られた綿素材の布とシフォン素材の布を2枚重ねるのが、もっとも効果的な組み合わせになることがわかった。エアロゾル粒子の除去率80%〜99%を記録し、医療用のN95マスクに近いフィルター効果を発揮した。

綿との他の組み合わせでは、天然シルクや、フランネルをしっかりと織ったもの、ポリエステルの中綿を入れた綿キルトなども効果が高いという。

研究チームの考察によれば、気密性の高い綿と静電気を帯びやすいシフォンといった、異なる素材の組み合わせが、二重に粒子の通過を防いでくれるようだ。

ただし、注意が必要な点もある。たった1%でも隙間ができると、マスクのフィルター効果は半減してしまう。適切に顔にフィットさせることが最重要だ。

今後は、度重なる再使用や洗浄などの、自家製マスクの機能を低下させるかもしれない他の要因にも、研究が広がることが期待される。


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