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37歳ピアニストは楽屋ドロボー!タキシードに着替えて関係者装う。止まらない窃盗癖に父親が号泣懺悔【連載】阿曽山大噴火のクレイジー裁判傍聴(14)
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  • 2020.06.17
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37歳ピアニストは楽屋ドロボー!タキシードに着替えて関係者装う。止まらない窃盗癖に父親が号泣懺悔【連載】阿曽山大噴火のクレイジー裁判傍聴(14)

小遣いをもらいながら生活する被告人

Photo By Shutterstock

続いて検察官からの質問です。

検察官「被告人の生活費は誰が出してたんでしょうか?」
父親「(L被告人は)外に出ず、音を消してキーボードやってるような生活で。それでたまに“3000円いいかな”と」
検察官「3000円……。小遣いは定額じゃなかったんですか?」
父親「その都度でした」
検察官「1回どれくらいです?」
父親「1万円単位で渡したりすることが多かったです」

ピアニストとしての仕事がなかったり、少なかったりすれば、副業とかアルバイトってのが自然な流れですけどね。当然、その辺は被告人質問で訊かれる部分なんだけど。L被告人のお父さんも甘くないですか?って思っちゃいますよね。それは父親と言うより、音楽家の先輩としての助けだったのか。

検察官「最後に。再犯しないためには何が必要ですか?」

すると、涙をこらえるような声になって、

父親「手紙のやりとりでは反省、してて……、ホントにやるなら……1度だけチャンスを与えてやろうと思いました」

質問と答えがちょっとズレてはいるんだけど、音楽の仕事を後押しすることで再犯しないはずだということなんでしょう。

お父さんが涙を拭いながら傍聴席に戻ると、続いて、被告人質問スタートです。

弁護人「まず、今回の証人尋問見てどう思いました?」
L被告人「親を泣かせてしまって、何度謝罪しても謝罪しきれません」
弁護人「前回の法廷でお父様、泣いてました?」
L被告人「いや、泣いてはいませんでした。泣きそうな気持ちはわかりましたけど」

この時は、執行猶予中の犯行で実刑はほぼ確実だから泣いてるんだろうなと思ってたんだけど、どうやらそんな単純な話じゃないようなのです。

続きはまた次回


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