FINDERS

同性愛者の男性3人の名前が、子どもの出生証明書に!新しい家族のカタチに世界が注目
  • GLOBAL
  • 2021.03.10
  • Twitter
  • facebook
  • LINE
  • はてブ!

同性愛者の男性3人の名前が、子どもの出生証明書に!新しい家族のカタチに世界が注目

文:汐里

ここ数年で、LGBTQに対する認知や理解が少しずつではあるものの、進んでいる印象がある。しかし、日本では彼らが彼ららしく生きるには、まだまだ法整備が追い付いていない。

そんな中、海外では自分たちらしく生きる、新たな形の家族が世界から注目を集めている。

3人の男性が父親になることが法的に認められた初のケース

アメリカ・カリフォルニア州に住む、イアン・ジェンキンスさん、アラン・メイフィールドさん、ジェレミー・アレン・ホッジスさんは、ゲイの「throuple(スラプル)」だ。スラプルとは、恋人関係の3人を表す言葉だ。

医師として働くジェンキンスさんとメイフィールドさんは17年前から、メイフィールドさんとホッジスさんは8年前から交際しているという。日本ではあまり聞きなじみのないこの関係性に少々驚くかもしれないが、それ以上に衝撃的なのは彼らが2人の子どもの父親であるということだ。彼らは3人で、パイパーちゃん(3歳)、パーカー君(1歳)の子育てをしている。

ジェンキンスさんは『HuffPost』の取材に、子ども授かった経緯を「ジェレミーの友人の1人が、体外受精で使わなかった受精卵を我々に提供してくれたんです。我々は、その受精卵で、ユニークな家庭を作ろうと決断しました」と明かす。3人はこの受精卵の提供を受け、代理母による出産を通じて子どもを迎えたという。

カリフォルニア州では子どもの出生証明書に3人の名前を書くことを正式に認めた。これは初めてのケースだという。そして、3人は正式に子どもの父親になった。

不安を解消してくれた周囲の理解「反発を受けたことは一度もない」

今年2月、3人はオーストラリアのテレビ番組『The Morning Show』に出演。裁判での審理を振り返り、メイフィールドさんは「3人で父親になるという、私たちの訴えが認められないような気がしていました。だから、法廷で意見を表明できるよう求め、自分たちの考えを伝えたのです。すると、最終的に裁判官が我々に法的な親権を認めてくれました」と語った。

3人の父親が子どもを持つことに一抹の不安もあった。一風変わった家族構成ゆえに、子どもに対する周囲の反応が怖かったという。ジェンキンスさんは「子どもが周りから変な目で見られるかもしれないと少し気がかりでした。いじめやからかいの標的になったり、ネット上での誹謗中傷を受けたりするなんて絶対に嫌でした」と心情を吐露した。

しかし幸い、その心配は無用だった。周囲の人々は、伝統的ではない家族の形に理解があるようで、「仕事でもプライベートでも、反発を受けたことは一度もありません。長女は今、幼稚園に通っていますが、他の親や子どもたちはむしろ、『いいね!話を聞かせてよ』と言ってくれます」とジェンキンスさん。

次ページ:ジェンキンスさんが伝えたいメッセージとは

1 2 >
  • Twitter
  • facebook
  • LINE
  • はてブ!

SERIES

  • スタッフ目線で選ぶイベント現場弁当
  • あたらしい意識高い系をはじめよう|倉本圭造|経営コンサルタント・経済思想家
  • 高須正和の「テクノロジーから見える社会の変化」|高須正和|Nico-Tech Shenzhen Co-Founder / スイッチサイエンス Global Business Development
  • オランダ発スロージャーナリズム|吉田和充(ヨシダ カズミツ)|ニューロマジック アムステルダム Co-funder&CEO/Creative Director
  • 高橋晋平のアイデア分解入門
  • READ FOR WORK&STYLE|岡田基生|代官山 蔦屋書店 人文コンシェルジュ