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ESG/SDGsを制するか否かが、企業の成長の分かれ道に。社会貢献と利益は一体となる。【連載】森若幸次郎のイノベーションのレシピ(1)
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  • 2021.06.25
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ESG/SDGsを制するか否かが、企業の成長の分かれ道に。社会貢献と利益は一体となる。【連載】森若幸次郎のイノベーションのレシピ(1)

ESG/SDGsを推進エンジンとして事業を加速させるには

服部結花氏

ーー この世界的なESG/SDGsの流れを、企業にとってのチャンスとするためにはどうすれば良いのでしょうか。

服部:自社でメインの事業をしていて、DNSH(Do no Significant harm assessment:世の中に深刻な悪影響を与えてはならない)対応まではできている大企業と仮定すると、2つの方法があります。1つ目は、SDGsの観点からこういうこともやっているとアピールできるような新たな取り組みをすること。2つ目は、我々ICJのようなESG投資を行うベンチャーキャピタルに投資することです。このような投資を行うことも国際的なESG観点からプラスの評価を受ける事ができます。

ーー 具体的な事例を教えていただけますか。

服部:2019年からサービス提供されている、三菱UFJ銀行の「BizLending」というサービスがあります。中小企業では、いざ資金が必要というタイミングで、必要な融資を受けるための折衝などに時間をかけている余裕がない、もっと売上や日常の取引データをベースに、迅速な融資が受けられれば経営が加速する、といった状況があります。そこで同行では当社も関わっている「MUFGフィンテックアクセラレーター(現 MUFG デジタルアクセラレーター)というプログラムを通じて、クレジットエンジン株式会社と提携し、上記のサービスを実用化までこぎつけました。

同行では、クレジットエンジン社が持っていた、中小企業に対するオンライン上での融資のノウハウを、三菱UFJ銀行に口座を持つ法人へのオンライン融資の仕組みへと、「BizLending」というサービス名で展開。これにより、同行ではこれまでより幅広く中小企業への融資が実施可能となり、中小企業にとっても来店や決算書の提出もせずオンラインでこれまでは難しかった借入が受けられるという双方にとってのメリットが生み出されました。

尚且つSDGsのNo.8「中小企業の安定経営に貢献する」にも寄与できたのです。

この事例にあるように、ICJではただ投資をするのではなく、大企業の持つ顧客・信用・技術等のアセットを活かしてESG/SDGsに貢献できるような取り組みを大切にしています。投資先企業が世の中へSDGs観点で大きく寄与すれば、出資側もESG観点で高い評価を得られ、株価が向上し、海外の機関投資家等からの新たな原始の獲得に繋がる好循環が生み出せます。

次ページ:ESG/SDGsに乗っ取っていないと利益が出ない時代に

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