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15年以上、言葉を発せなかった脳卒中男性が“脳インプラント”で会話が可能に。脳の電気信号をコンピューターが解読
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  • 2021.07.27
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15年以上、言葉を発せなかった脳卒中男性が“脳インプラント”で会話が可能に。脳の電気信号をコンピューターが解読

文:窪田みちる

使用できる単語の数はおよそ50種類

発話能力を失った男性が、脳インプラントを使用することで “話せる”ようになったという論文が今月14日、医学雑誌『The New England Journal of Medicine』に掲載された。

この男性は現在30代後半。20歳の時に脳卒中を起こして以来、麻痺のため手足だけでなく声を出すことができなくなってしまった。ただ、発話を司っていた脳の領域は無傷だった。

そんな男性に、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究チームは、脳インプラントを装着。コンピューターを介して男性の脳の電気信号を解読し、男性が考えたことをスクリーン上に表示することに成功した。例えば「今日はお元気ですか?」という質問に対し、男性は「I am very good(とても元気です)」と反応。さらに「水を飲みたいですか?」との質問には、「No, I am not thirsty(いいえ、喉は渇いていません)」と回答した。

現在、使用できる単語の数はおよそ50種類。1分あたり15語程度というのんびりとしたスピードではあるが、言葉を生成できるようになったのだ。実に15年以上振りの“会話”となった。

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