ダニエル・クレイグ Photo by Shutterstock

文：角谷剛

『007／ノー・タイム・トゥ・ダイ』（原題：No Time to Die）がまもなく公開される。1962年に第1作が公開されて以来、『007』シリーズにはタフでクールなプレイボーイのジェームズ・ボンドと魅惑的でグラマラスはボンド・ガールたちが次々と登場してきた。

男女の役割を固定化する表現への批判が高まる昨今、今作を最後にボンド役を卒業する主演俳優ダニエル・クレイグは行き過ぎたポリティカル・コレクトネスに決して同調しなかった。

クレイグは「女性」ボンドに否定的

ダニエル・クレイグに代わる新たにジェームズ・ボンド役を演じる俳優がまだ決まっていない中、クレイグは先日『Radio Times』の取材に応じ、新たなボンド役として女性か有色人種など多様性のある俳優を起用すべきではとの質問にこう答えた。

「その質問への回答はとてもシンプルです。女性や有色人種の俳優にはもっと向いた役があります。ジェームズ・ボンドを女性が演じる必要はありません。ジェームズ・ボンドと同じように重要で、かつ女性に向いた役があるべきなのです」

『007』シリーズのプロデューサーであるバーバラ・ブロッコリも、クレイグと同じ意見だ。およそ3年前の『The Guardian』で、ブロッコリは「ボンドは男性のキャラクターです。原作では男性として書かれましたし、これからもそうなるでしょう。それは問題ではありません。私たちは男性キャラクターを無理に女性にする必要はないからです。ただ女性キャラクターを増やして、彼女らに相応しいストーリーを作っていけばよいのです」と述べている。

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