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XRで美術館の狭小スペースを広大なデジタル空間に拡張して楽しむデジタルアート公開
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  • 2023.03.31
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XRで美術館の狭小スペースを広大なデジタル空間に拡張して楽しむデジタルアート公開

文:FINDERS編集部

美術館が東京ドームサイズに拡張する技術

東京都歴史文化財団と、XRプラットフォームを提供するABAL(アバル)は「XRアートシアター『死神』」を4月19日から5月7日までシビック・クリエイティブ・ベース東京にて開催する。

シビック・クリエイティブ・ベース東京 より

「XRアートシアター」とは、ABALが独自に開発する文化財、観光資産、アート、舞台などのデジタルデータを展示できるバーチャル空間。実際の展示空間よりも広い、東京ドームサイズほどの空間を作り出すことが可能。複数の展示空間を巡ってユーザーごとに異なる物語を楽しめるような演劇表現や、タイムマシンで過去に遡ったような体験に広大なプロジェクションマッピングなど、バーチャルならではの自由度の高い空間演出ができる。

また3Dムービースキャンされた人物の立体データ、等身大映像などを使用することで、アーティストや役者のパフォーマンスを目の前で鑑賞しているような体験も可能で、劇場音響システムの全体音響と、ユーザーの行動に合わせて音を再生する個別音響を組み合わせた音響システムも備わっている。

本プロジェクトは文化資源のデジタル化による記録・保存と、多様な形態での鑑賞体験を提供する「TOKYO スマート・カルチャー・プロジェクト」の一環として実施される。

近年、デジタルデータを活用したアートが増えると同時に、アート作品や文化財のデジタルアーカイブ化が進む中で、それらを適切に展示・体験できる場所が求められている。だがデジタルデータを展示する場所は限られている上に、一般ユーザーがリッチなデジタルアートを体験・鑑賞するためには、高いリテラシーが求められると同時に、ヘッドマウントディスプレイなど専用機材を購入しなければならないといった障壁が存在する。

XRアートシアターはそうした問題を解決する取り組みとして、既存の文化施設にデジタルデータに特化した展示空間を簡単に構築することができるとし、クリエイターにとってもデジタルを用いた新たな作品を発表できる場となるものであるとする。

今回は第1回公演として古典落語の代表作『死神』を題材とした作品をVR空間内で上映する。鑑賞者は自身のアバターを作成してシーンの移動操作や登場キャラクターたちとの「自撮り」ができるほか、自身の選択により物語が分岐し、複層的に進行していくという。

作品の鑑賞は無料だが、Peatixでの予約者が優先して入場できる。


『XRアートシアター死神』
期間:2023年4月19日(水)~5月7日(日) 
会場:シビック・クリエイティブ・ベース東京
料金:入場無料※予約優先制 

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