文：FINDERS編集部

都市ができる過程に使用されたロケハン写真・レファレンス資料も

アニメーションの背景美術に描かれた都市や建築に焦点を当てた展示「アニメ背景美術に描かれた都市」が11月19日まで谷口吉郎・吉生記念金沢建築館で開催されている。

本展では、『AKIRA』や『メトロポリス』、『機動警察パトレイバー2 the Movie』など1980年代末から2000年代初頭にかけて制作された日本を代表するSFアニメーション作品の、卓越した技術によって緻密に描き込まれた手書きの背景美術が展示される。

実写とは異なりゼロから世界観を創るアニメーションは、背景の都市や建築、室内のディテールに至るまで意図的に構築され、緻密に描かれている。展示構成はアニメーションにも造詣の深い建築評論家の五十嵐太郎氏が監修し、作中の美術を都市や建築の視点で紹介する。

『メトロポリス』©手塚プロダクション/METROPOLIS 製作 委員会

『機動警察パトレイバー劇場版』©HEADGEAR

展示対象となる作品は下記の通り。

加えて、独特の世界観を創り上げるために参照された書籍やロケハン写真といったレファレンス資料やクリエイターへのインタビュー、年表と併せて建築家による未来都市構想なども展示される。

関連イベントとして、建築関係者がアニメ背景美術と現実の都市との関係性などを語り合う「建築フォーラム」が9月2日に開催される。定員は60名程度で参加費が必要。

その他、学芸員による展示解説も行われる。