文：FINDERS編集部

東京より5℃涼しい世界で快適にインプットを

クリエイティブな仕事には欠かすことのできないインプット作業。ただ、普段から時間を確保するのはなかなか難しく、仕事で使う必要最低限の情報に偏りがち。

夏休みの時間がたっぷりあるときこそ、新たな発想や創造性を刺激する作品や展示に触れる時間にしたいところ。

とはいえ、東京都内は連日35度以上の猛暑日が続き、インプットどころか熱中症対策をせず外に出ることすら辛い環境だ。

せっかくの夏休みを暑さのせいで自宅生活を余儀なくされるくらいであれば、都内から少し足を伸ばして避暑地で展示やイベントに触れてみるのはどうだろうか。

第37回 星空の映画祭

星空の下で映画鑑賞する野外映画祭「星空の映画祭」。日本一標高の高い場所にあるという映画館で上映されるのは、第95回アカデミー賞 作品賞を受賞した『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』をはじめとする全9作品。会場のある原村の8月中旬の気温予報は最高気温が30℃前後、最低気温が20℃前後で、夜になると少し冷え込むほどだ。

シン・ジャパニーズ・ペインティング　革新の日本画 横山大観、杉山寧から現代の作家まで

古くから避暑地として人気のある箱根の国立公園内に建つポーラ美術館は、JR東京駅から電車・バスで1時間半程度の好アクセスにも関わらず、8月中旬の箱根町仙石原周辺の気温予報はこちらも最高気温が30℃前後、最低気温が20℃前後。国立公園の自然と芸術、両方を過ごしやすい気温で堪能することができる。

夏休み期間は、さまざまな年代の「日本画」に焦点を当てた展示が開催されている。近代の「日本画」を牽引した明治、大正、昭和前期の画家や杉山寧をはじめとする戦後の日本画家たちの表現方法、そして現在の「日本画」とこれからの日本の絵画を追究する多様な作家たちの実践が取り上げられる。

「キース・ヘリング：NY ダウンタウン・ルネサンス展」

アンディ・ウォーホルやジャン＝ミシェル・バスキアと並び1980年代のアメリカ美術を代表するアーティストの一人であるキース・ヘリングの作品展が山梨県北杜市にある中村キース・ヘリング美術館で開催されている。美術館周辺の8月中旬の気温予報は最高気温が30℃前後、最低気温が20℃前後。

同氏が活動した1980年代ニューヨークにおける「アンダーグラウンド・カルチャー」「ホモエロティシズムとHIV・エイズ」「社会に生きるアート」「ニューヨークから世界へ」の4つの視点から、同館収蔵のコレクションを紐解く。日本初公開、世界でも34年ぶりの公開となる壁画も展示される。

「文学者の手紙展」

箱根と同様、古くから避暑地として愛されてきた軽井沢にある旧朝吹山荘「睡鳩荘」では、川端康成、島崎藤村ら文学者の貴重な手紙を紹介する「文学者の手紙展」が開催されている。

同施設には他にも軽井沢を愛した作家や詩人の別荘が併設されており、8月中旬は気温予報は日中の最高気温でも30℃を超えない過ごしやすい気温のなかで、作家が紡いできた言葉にじっくり触れていただきたい。

浅間国際フォトフェスティバル2023 PHOTO MIYOTA

8月中旬の気温予報が最高でも20℃台半ばという、軽井沢町にほど近い長野県北佐久郡御代田町の自然を舞台に、国内外のアーティストによる作品を鑑賞できるアートフェス「浅間国際フォトフェスティバル2023 PHOTO MIYOTA」。作品の展示だけでなく、写真家・苅部太郎による「AI時代のアートフォト画像生成講座【Stable Diffusion編】」のようなワークショップも行われる。