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開発費3400億円、16K×16Kの最強スクリーンを備えた超巨大な球体型アリーナ「スフィア」がラスベガスに誕生
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  • 2023.10.20
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開発費3400億円、16K×16Kの最強スクリーンを備えた超巨大な球体型アリーナ「スフィア」がラスベガスに誕生

Photo by Shutterstock

文:FINDERS編集部

U2が担当するこけら落としライブの映像がYouTubeやSNSに続々アップ

9月29日、ラスベガスの中心街であるストリップ地区にある高級リゾート、ザ・ベネチアン・リゾートの敷地内に、球体型の巨大なアリーナ「Sphere(スフィア)」が誕生した。

スフィアは、外側が東京ドームより大きな面積の約5万4000㎡、高さ約112m・幅は約157mの2KのLEDで覆われており、その高さは高層ビルで例えると30階建てに相当する。この外壁では随時さまざまな映像や広告が映し出されるようだ。

ちなみに開発にかかった費用は約3446億円(23億ドル)。インフレや材料費高騰などの影響もあるだろうから単純に比較はできないが、東京スカイツリー(総事業費650億円)が5つ作れる金額というとその途方もなさが伝わるだろうか。

球体内部のステージ側にあたる部分の壁面にはIMAXのスクリーン9枚分、かつ16K×16Kの解像度のLEDスクリーンで覆われいる。また16万8000個のスピーカーが埋め込まれ、どの座席であっても優れたサウンドを楽しめるほか、座席から風を吹かせる、香りを漂わせるといった演出も可能だ。収容人数は座席・スタンディングを合わせて約2万人となっている。

スフィアのこけら落としはロックバンドのU2が担当し、1993年リリースのアルバム『Achtung Baby』の楽曲を中心としたライブを12月まで全25公演行う。彼らは長年、各時代の最新テクノロジーも駆使した斬新なステージセットや演出で観客を驚かせ続けてきた実績もあり、この大役を担う存在としてはぴったりだろう。チケット代金は日本円で6万円近くからだが、すでに全公演完売している。

ライブの模様は(プロ用カメラ以外での)撮影が許可されていることもあり、既にYouTubeや各種SNSで膨大な数の動画・画像がアップされている。本記事では貼らないが、ライブ全編を撮影したファンカム動画も複数上がっており、一体何が起こっているか気になる人は検索してみるのも良いだろう。

こちらはEDM界の有名DJ、ディプロによる投稿。ライブにはポール・マッカートニーなど著名人も多数訪れている

また今回の公演でも演奏されている新曲「Atomic City」のMVも公開され、一部の撮影はスフィアのステージ上で行われ、ライブでの演出内容も垣間見えるものとなっている。

また、スフィアではインスタレーションと映画上映を組み合わせた「The Sphere Experience」というイベントも週に5日ほど、それぞれ昼夜2〜3公演開催している。最新のAI技術を用いて来場者と会話できるロボット「Aura」や、スフィア内で用いられている技術の解説といった展示が行われ、『ブラック・スワン』などで知られる映画監督ダーレン・アロノフスキーが手掛けた、ここでしか観られない1時間の映像作品『ポストカード・フロム・アース』も上映される。

同作は世界各地で撮影された美麗な映像を楽しみながら、「座席の触覚、動きの感覚、点滅するライト、強烈な照明、視覚効果、大きな騒音、霧、香り、風などの大気シミュレーションなど、さまざまな要素を備えた没入型の体験」を提供するとしている。

その規模や設備内容において「世界最大」「世界唯一」がいくつも並ぶスフィア。ライブ好き、エンタメ好きにとって一生に一度は行ってみたいところだ。ちなみに同規模の施設をロンドンでも開発する計画があるそうだが、こちらでは住民による反対運動も起きているという。


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