FINDERS

岡田准一主演映画が苦戦するのは、タイトルが検索しづらかった説!「ググラビリティ」とは?
  • BUSINESS
  • 2019.01.28
  • Twitter
  • facebook
  • LINE
  • はてブ!

岡田准一主演映画が苦戦するのは、タイトルが検索しづらかった説!「ググラビリティ」とは?

文:岩見旦

中島哲也監督の最新作『来る』が興行成績で苦戦

ヒットメーカー中島哲也監督の最新作『来る』。第22回日本ホラー小説大賞に輝いた澤村伊智の小説『ぼぎわんが、来る』を映画化した作品で、主演は岡田准一。黒木華、小松菜奈、松たか子、妻夫木聡ら豪華キャストが脇を固めた。

昨年12月7日に封切られ、東宝の正月映画の大本命になると目されていたが、興行成績で苦戦し、その息が正月まで続くことはなかった。『来る』がコケた理由として、中島監督の独特の作風や、正月とホラー映画の相性の悪さなどが挙げられていたが、ここに来て新しい理由が注目を集めている。「ググラビリティ」を配慮しなかった説だ。

単語の検索されやすさ「ググラビリティ」

「ググラビリティ」とは、その単語の検索されやすさのことであり、「Google」と「ability(能力)」をかけ合わせたネットスラングだ。

映画を鑑賞する前に、その評判を知ろうとSNSで口コミを調べようとする人も多い。しかし、『来る』で検索すると、タイトルが一般動詞のため、作品の感想以外の投稿が大量に紛れこむ。作品の評判を正しく知ることが難しい。

都内2館の公開から全国300館以上に拡大した『カメラを止めるな!』は、SNSに溢れかえった絶賛評が異例のヒットのきっかけとなった。SNSが存在していなかったら、低予算映画の一つに留まっていただろう。SNSと映画のヒットは密接な関係にある。

ネーミングの際には、ググラビリティに配慮を

あるTwitterユーザーは1月25日、『来る』の興行不信の理由として、この「ググラビリティ」を紹介。この投稿は瞬く間に拡散され、約9,000件のリツイートを獲得。「確かに検索が難しい……」「一度検索して出てこなかったら、『まあ、いいか』ってなる」「同音異義語や既出固有名詞などに配慮するのがクリエイターの課題であり、難題でもある」などのコメントが寄せられた。

邦題がダサいと槍玉に挙げられがちが洋画のタイトルも、このググラビリティを考慮したケースも決して少なくないだろう。

お笑いコンビ「オリエンタルラジオ」は、コンビ名を決める際、決定打となったのは当時ネット検索にかけたところ、結果が1件もヒットしなかったことだという。今後、映画のタイトルに限らず、商品名や社名を付ける際、この「ググラビリティ」がさらに重要視されるようになるのではないだろうか。


映画『来る』公式サイト

  • Twitter
  • facebook
  • LINE
  • はてブ!

SERIES

  • スタッフ目線で選ぶイベント現場弁当
  • あたらしい意識高い系をはじめよう|倉本圭造|経営コンサルタント・経済思想家
  • 高須正和の「テクノロジーから見える社会の変化」|高須正和|Nico-Tech Shenzhen Co-Founder / スイッチサイエンス Global Business Development
  • オランダ発スロージャーナリズム|吉田和充(ヨシダ カズミツ)|ニューロマジック アムステルダム Co-funder&CEO/Creative Director
  • 高橋晋平のアイデア分解入門
  • READ FOR WORK&STYLE|岡田基生|代官山 蔦屋書店 人文コンシェルジュ