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書店で本棚の「下の引き出し」を勝手に開けるのはNG? 客のクレームを巡り議論紛糾
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  • 2019.03.13
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書店で本棚の「下の引き出し」を勝手に開けるのはNG? 客のクレームを巡り議論紛糾

Photo By Shutterstock

文:岩見旦

書店で本棚の「下の引き出し」を勝手に開けた客がまさかの逆ギレ

ある書店に掲載された「お客様からのご意見」が物議を醸している。

あるお客さんが孫とともに、この書店に訪れた。しかし、そのお客さんはお目当てのマンガが見つからなかったため、本棚の「下の引き出し」の中を勝手に探していた。すると店員が「開けないで下さい」と声を掛けた。腹を立てたそのお客さんは「あなたの常識でも私の常識ではない」と店員と口論になったという。

3月10日に投稿されたこのツイートは2万を超えるリツイートを記録。Twitter上では、高圧的なお客さんの態度に批判が集中した。

「下の引き出し」を勝手に開けることは常識か否か

さらに議論が紛糾したのは、書店の「下の引き出し」を勝手に開けることの是非について。「普通勝手に開けない」「下の棚にあることが分かっていても、店員に聞く」「人の家に行って勝手に戸棚を開けるのと同じようなもの」など、勝手に開けるべきではないとする投稿が圧倒的に多く挙がった。

しかし一部、「普通に開けて在庫あるか見ていた」「引き出しは本棚に入り切らない本を置くために、陳列された本棚の延長として使っているものと思っていた」と勝手に開けていたというコメントが寄せられた。

筆者も書店で「下の引き出し」を開けた経験がある。軽く本の中を見て検討したい時、購入を決めていないにも関わらず、忙しそうな店員をいちいち呼ぶのが申し訳なく感じていたからだ。そこまで深くこのことを考えてこなかったというのが正直なところだ。

「下の引き出し」を勝手に開けていけない理由とは

なぜ書店の「下の引き出し」は勝手に開けてはいけないのだろうか? 上記のツイートに端を発し、現役書店員や元書店員からコメントが相次いだ。

まず、あの「下の引き出し」はストッカーと呼ばれている。そのストッカーの中には在庫だけでなく、棚卸しの本や発売前の本、まだ在庫登録をしていない本などが入っており、あえて陳列していないものもあるという。また、在庫はストッカーではなくバックヤードにある場合も。

さらにストッカーは足元に位置しているため、迂闊に開けると他のお客さんに当たり怪我をさせてしまう可能性もある。そのため、お客さんがストッカーを勝手に開けるのはやめてほしいとのこと。しかし上記のツイートと同じように、このことをお客さんに注意をすると、逆上されるケースが後をたたないようだ。

意外と知らない人も多かった書店の常識。在庫がない場合は「下の引き出し」を勝手にあさらず、店員に一声掛けるようにしてほしい。


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