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白人至上主義者がDNA検査を受けたら、3分の2が白人以外の血を引いていたことが発覚
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  • 2019.03.29
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白人至上主義者がDNA検査を受けたら、3分の2が白人以外の血を引いていたことが発覚

Photo By Shutterstock

文:岩見旦

白人至上主義者が今月15日、ニュージーランド南部クライストチャーチにある複数のモスクで銃を乱射し、50人の死者を出した事件が起きた。容疑者は犯行前、Twitterに「侵入者を襲撃する」と犯行予告を投稿し、銃を乱射する様子をFacebookで生配信を行った。

容疑者はネット掲示板などで情報を収集しており、過激な思想がネットを通じて増幅したと指摘されている。そんな中、白人至上主義者に関する興味深いレポートが注目を集めている。

白人至上主義者サイトのユーザー153人を追跡

白人至上主義者が集うサイト「ストームフロント」で、自らのルーツを証明するため、ユーザーの一部はDNA検査を受けている。アメリカでは唾液から遺伝子情報を解析するDNA検査がブームになっており、2019年初めまでに2,600万人以上が遺伝子検査大手4社に登録しているという。

社会学者のジョアン・ドノバン氏とアーロン・パノフスキー氏は、このサイトに投稿されたDNA検査結果に関する3,000件の投稿に注目。153人のユーザーを追跡したところ、なんと3分の2がヨーロッパ系白人以外の血を引いているという思わぬ結果が出た。

検査結果に落胆した白人至上主義者は、このテストの欠陥を見つけるために言い争いを開始。「この検査結果より主義者としての活動の方が重要」「これはユダヤの陰謀でアメリカを混乱させようとしている」とアピールを始めたという。

白人至上主義団体代表もアフリカの血を引く

米国ノースダコタ州でネオナチ活動をしている白人至上主義団体代表のクレイグ・コブ氏が2017年、テレビ番組「ザ・トリシャ・ゴッドダードショー」に出演し、DNA検査を行った。

するとコブ氏のルーツは、86%がヨーロッパ系白人、14%がサハラ以南のアフリカ系黒人であることが判明した。検査結果が発表されると、スタジオは拍手喝采。コブ氏は苦笑いを浮かべた。

昨年10月、白人至上主義の差別や誤解に対し、米人類遺伝学会は「遺伝学的には人種は明確に分けらない」「人種の純潔性は科学的に意味がない」という声明を発表した。

自らのルーツを調べるDNA検査ブーム自体が、人種間の分断を助長しているのかもしれない。


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