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まるで人間! 密猟者に睨みを利かせるゴリラと国立公園職員の自撮りが世界中で大人気に
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  • 2019.04.22
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まるで人間! 密猟者に睨みを利かせるゴリラと国立公園職員の自撮りが世界中で大人気に

文:岩見旦

マウンテンゴリラやカバなど、多彩な動物たちが棲み豊かな自然が広がっている、アフリカ中部コンゴ民主共和国のヴィルンガ国立公園。ここで撮影された自撮り写真が世界各国から熱視線を集めている。

「ゴリラから漂う仲間感」2万シェアで笑顔に

18日、密猟と戦う国立公園職員が自撮り写真をFacebookに投稿した。そこには2匹のマウンテンゴリラが背筋をピンと伸ばし、まるで人間のように立っていた。

ゴリラらしからぬポーズを決める姿が話題となり、この投稿は瞬く間に拡散。現在2万を超えるシェアを記録し、「美しく心のこもった写真をありがとう」「ただただ素晴らしい写真だ」などと世界中の人を驚嘆させた。日本国内でも大きな注目を集めており、「絶対に中に人が入っている」「着ぐるみかと思った」「ゴリラから漂う仲間感」といったコメントが寄せられた。

さらにゴリラと国立公園職員との自撮りはFacebookにたくさん投稿されており、ゴリラの人なつこい一面が見られる。

内戦の最中に撮影された心温まる写真

これらのFacebookの投稿からは、マウンテンゴリラと国立公園職員との信頼関係が伺える。その理由はこの国立公園ならではの事情があるのかもしれない。

実は隣国のルワンダで内戦が勃発しており、このヴィルンガ国立公園は治安状態が非常に悪化している。この一帯は、外務省による海外安全情報で4段階のうち最も高いレベル4に指定され、退避勧告が出ている。

公式サイトによると、この国立公園ではゴリラを含めた絶滅危惧種を、密猟などの武力勢力から守るため600人以上が従事しており、常に生命を危険に晒しているという。国立公園職員になるに当たり半年間に及ぶ広範囲のハードなトレーニングを経験するものの、これまで170人以上が殺害されている厳しい状況だ。彼らはみんな地元のコンゴの街や村の出身とのこと。

ゴリラとの仲睦まじい時間は、そんな苦境の中で与えられた、つかの間の休息だったようだ。


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