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米国マクドナルドで偶然「隠語」を口走ったため、大麻入りのアイスティーが客に提供される
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  • 2022.12.15
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米国マクドナルドで偶然「隠語」を口走ったため、大麻入りのアイスティーが客に提供される

Photo by Shutterstock

SNS上での取り引きが話題になるなど、少し手を伸ばせば簡単に届いてしまうドラッグ。

私たちが何気なく利用している飲食店でも、もしかしたら黒い取引が行われているケースは珍しくないのかもしれない。

「レモン多めに」が大麻入手の隠語

パリッシュ・ブラウンさん(当時24歳)は2019年10月27日、アメリカのヒルトンへッドにあるマクドナルドのドライブスルーでアイスティーを注文。ブラウンさんがこのアイスティーを飲むと、急な体調不良を起こした。

異変の正体を探るためアイスティーの入った紙コップの蓋を開けてみると、そこにはティーバッグ状になった大麻が3パックも入っていた。ブラウンさんは大麻入りのアイスティーを飲んだことで、「凧のようにハイになった」と、地元メディアに答えている。しかし、大麻を利用した経験がなかったため、ただただ気分の悪さを覚えたようだ。

ニュース番組でしか見聞きしたことのない大麻を目の前にしたブラウンさんは、父親に電話し助けを求めた。そして警察に通報が行ったことで、この事件が発覚したようだ。

ドリンクの中に大麻が入っていた理由として、ブラウンさんが注文時に言った「extra lemon(レモンを多めに)」というキーワードが、大麻を注文する隠語だった可能性があると考えられている。

ブラウンさんがこの他に注文した10ピースのチキンマックナゲットやダブルチーズバーガーなどは変わった点はなく、支払いも通常の価格だったという。マクドナルド側もこの事件の解決のため、捜査に全面協力するとのこと。

日本国内に広がる大麻

大きなインパクトを残した今回の事件だが、こういった類の事件は度々報じられる。2017年、米国ニューハンプシャー州のバーガーキングでは、店員2人が注文時に「フレンチフライをエキストラクリスピーで下さい」という隠語を言った客に、大麻を販売したとして従業員2人が逮捕されている。また今年1月、米国フロリダ州にあるマクドナルドでは、会計時にお金の代わりに大麻で支払おうとした男性が逮捕された。

これらはアメリカで起きた話だが日本も決して楽観視してはいけない。警察庁の資料「令和3年における組織犯罪の情勢(リンク先PDF)」によると、2021年に大麻や覚醒剤、アヘンといった薬物事犯で検挙された人数は1万3862人で、2017年の1万3542人と比べてあまり変化していない。ただ、大麻事犯の検挙人数を見てみると、2021年は5482人でこの4年ほど見ても年間500〜700人程度ずつ増加している(そして区分として「暴力団構成員等」「外国人」の割合は年々減少しており、それ以外の取引が増えていることがうかがえる)大麻の取引は私たちの身近で行われているのかもしれない。

文:宮西瀬名

2022年12月15日更新(初出は2019年11月26日)


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